ベッドロック, ブロックセラーズ, ウルトラマリンのマイケルクルーズを差し置きSFCワイン特集巻頭カバーを飾るPOEのサマンサシーハン作ボルドー系 IPOB 送料無料に最大ポイント10倍も
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※ ブルゴーニュ部門《ポー・ワインズ》は以下バナーよりご参照頂けます。 《ウルトラバイオレット》 カベルネソーヴィニヨン カリフォルニア ボトルド in ナパヴァレー
味わい
広義の自然派・エレガント系との触れ込みも、決して一本やりの性格ではありません。フードフレンドリーでありつつ、カリフォルニアの果実感を大切としている印象です。初期の香にジャムの印象も持ちましたが、酒肉はジャミーでありません。相応の酸度から熟度が相殺される為もあるでしょう。ジューシーな赤果実のコンポートに近い香りから、口中では熟したブラックベリーやカシスの風味、スモモの酸、残り香にはスミレやバラの花びらの趣き。時間の経過に従い、ブルーベリー様な紫のイメージが増します。タンニンは穏やかでまろやかな喉越し。フレッシュな果実感を大切にされたい方は、比較的早めに低めの温度でもOK。対して二次的な旨みの知覚を増したい場合は、2日目以降も楽しみが残されます。ワイン造り
サマンサ・シーハンのワイン造りとは、果実の出所にも面白みがあります。例えばブル系(POE)においては、ヴァン・デル・カンプ(下記参照)の他にも、ウィリアムズ・セリエムで有名な“フェリントン”(Ferrington Vineyard:リトライやフラワーズへも供給@メンドシーノ郡アンダーソン・ヴァレーAVA)、降霧線より120mも高い海岸山脈の尾根に位置する“マンチェスター・リッジ”(Manchester Ridge Vineyard:メンドシーノ・リッジAVA)といった刺激的な先々が。また、栽培家との繋がりを大切に、ボルドー系ワインの着手に際しては、「ナパヴァレーの重要な畑より、特別な果実を特別な価格で譲り受けたことが契機となった。」と述べられます。その処女作(2009年)に続くヴィンテージも、畑への相当な拘りが見て取れ、例えば2014年はナパヴァレー・クームスヴィルAVA(※)産も併用。実に気を引かせるものでした。(
※Coombsville:コングスガードのザ・ジャッジ・ヴィンヤード、ナパ・ヴァレーきっての貴腐ワイン“ドルチェ”(ファーニエンテ)の為となる畑も属する他、ポール・ホブスやアンディ・エリクソンといった大物達がこぞって自家畑を求める近年最注目のエリア)
某有名畑も
2000年代前半に「次のスクリーミング・イーグル」との異名を取ったワインにメラス -Merus-があります。そのメラスで10年に渡り醸造を担ったショーン・ジョンソンは、後にゴーストブロックのロブ・ローソンとコンビを組み、やがてはサマンサ・シーハンとも。その様なコネクションもあってのことか、嘗てウルトラバイオレットが使った果実は、ナパヴァレー・セントヘレナ地区の大物畑であったと伝えられます。世にはスポッツウッドの格落ちと噂されるワインもあったりしますが、それを表で謳うことはご法度と厳しく釘を刺されるなど、然るべき事情により畑名が明かされぬ例は然して珍しくありません。理由は定かではありませんが、ウルトラバイオレットの畑名は今のところ非公表とされています。(※ULTRAVIOLETは「紫外線」の意)
品種構成
カベルネソーヴィニヨン95% Cabernet Sauvignon, カベルネフラン5% Cabernet Franc熟成
フレンチオーク100%(新樽50%)×10か月原産地呼称
カリフォルニア Californiaタイプ
赤
ミディアムボディ Medium内容量
750ml生産者概要
ウルトラバイオレットとサマンサ・シーハン DRC(ロマネ・コンティ社)の当主、オベール・ド・ヴィレーヌ氏の参画によりロマネコンティが引き合いに出されるなど、センセーショナルな扱いを受けたカリ・ピノ、HdV イザベル(Ysabel)。自社畑産元詰めに限る筈のDRCだが、イザベルの為には“HdV”の“H”が意味するハイド(自家畑)を採用せず、ヴァン・デル・カンプ(※)の果実を手に入れている。例えド・ヴィレーヌ氏であっても、HdVの果実は樹齢15年未満の若木から。一方サマンサ・シーハンの為に供されたヴァン・デル・カンプの果実は、より貴重な樹齢60年の古木から。卓抜の手技が認められずして可能とする筈もない。(
※Van der Kamp Vineyard:カリフォルニアワイン産業幕開けの地、ソノマ・ヴァレーのサブアペラシオンでもあるソノマ・マウンテン地区を代表するピノノワールの銘醸畑。かつて1980-1990年代にかけては、マーカッサンのオーナー醸造家であるヘレン・ターリーがピノ造りを進めた。国内一部媒体では“ヴァン・ダー・キャンプ”と表記される時もあり) 気鋭の若手ワインメーカー達の間で「カリフォルニア・ヌーボー」がトレンドとなっている。(但しボジョレーのそれとは違い、格調ある畑の第一級品種から醸造される新酒) その草分け的一つがサマンサ・シーハン率いるPOE。SFクロニクル紙の特集においては、ベッドロック、ブロック・セラーズ、ウルトラマリンのマイケル・クルーズらを差し置き巻頭カバーを飾るなど象徴的に扱われた。ワインアドヴォケイトを始めとする有名批評媒体へのサンプル提供を好まぬ行動様式は、“New California”と称される気鋭の造り手に重なるところでもある。(ちなみに2016年に解散したIPOB最終35社目がPOE) 他にも、経済情報誌ブルームバーグのワインコラムにおいては寄稿者のエリン・マッコイ(
※1)により
2017年に買いたい50ドル以下のベスト50銘柄
(The 50 Best Wines Under $50 to Buy in 2017)に選出され、2016年秋に飲みたい20のワイン
(The 20 Wines You Need to Drink This Fall/ケイト・クレーダー選:※2)にも推奨。(共に産地不問)
※1) ELIN McCOY:世界的権威のデキャンター誌NY特派員を兼務するワインジャーナリスト。「ワインの帝王ロバート・パーカー」(邦題)の原作者。フード&ワイン誌、NYタイムズ他寄稿多数。
※2) KATE KRADER:ワイン他飲食全般を扱うジャーナリスト。ブルームバーグより国内紙(産経)にも記事提供された「偽ワイン闇市場拡大」も女史のルポルタージュ。フード&ワイン誌、NYタイムズ他寄稿多数。